しかし、幸せな時間にも終わる時がある。 「あっ、ごめん引き止めて。 では、また。」 そう言って大きな黒い傘を広げ彼は雨が降りしきる中、帰って行った。 純花は彼の背中を見つめ、ここ数分間のことを思い返す。 初めて目を合わせた。 初めて会話をした。 そして何よりも純花の存在を知っていた。 このことが何よりも嬉しかった。