この日も純花は、お気に入りの傘をさし、学校から帰っていた。 時刻は夕方の5時過ぎだった。 急に雨が激しくなり、雨宿りをするために仕方なくあの本屋の軒下に入った。 傘を閉じ、制服のブレザーやスカートについた水滴を払う。 本屋には入らずに空を見上げていた。 相変わらず、雨をこぼし続けている。 しばらくして、やはり家に帰ろうと考えた純花は、まだ水滴が滴る傘を持ち、広げようとしていた。