「せ…っ先生の…ファ…ンいっ…ぱい…いるん…だて」
と私が目に涙をためながら無理矢理、由衣に向かって笑った。

すると、
「麻佑!泣いてる場合じゃないでしょ!好きならちょっとしたファンごときでくよくよすんなっ!」
と由衣が私の背中を叩いた。

「でも…でも……負けちゃうかもしれないもん…」
と私が弱音を吐くと

またも由衣が
「いい加減にしなよ!麻佑!あんたにはあたしがいるじゃん!」
と強めに言った。

私は、そうだ!私には由衣がいるんだ!と思い

「そうだよね…ごめん。私頑張る!!」
と私は目にたまった涙を拭いながら由衣に向かって微笑んだ。


だけどそんな事もつかの間……

三人組の先生ファンは私に容赦なくふりかかって来た。

ある日の朝、
私がいつものように下駄箱で靴を履き変えていると……

「あんたさ〜…三島の事好きなんだって〜?」
っとこないだの三人組のひとりが私に尋ねてきた。

あいにく今日は由衣が委員会の仕事で一緒に登校しなかった。

きっとこの三人組も私がひとりで歩いているのを見つけて言い寄ってきたんだろう。

「だったらなんなの?いきなり意味わかんないし」
と私が由衣がいなくても存分に言い返してやろうと思い、強めにでた。

すると……
―ダンッ!!

すごい音と共に私の髪がなびいた。

私はわけが分からず、立ち尽くしていると…
「なんなの?じゃねーんだよ!純粋そうな顔して結構言ってくれんじゃねーかよ」

と、私に怒鳴り付けてきた。

登校時間の下駄箱でそんな大声を出していれば
誰だって見る。

私はそれが嫌だったから
「てゆーか今こんなとこで恥ずかしいから怒鳴り散らさないでくんない?とりあえず話は放課後に聞くんで」

と、私は小走りで教室に入った。