そして、私はあの日から先生を少し避けるようになった。

「麻佑〜!トイレ行こ」
5分休憩になると由衣が私をトイレに誘った。

「うん!」
私が返事をすると、由衣が私の手を引っ張った。

二人で廊下を歩いていると……

「おう!次は俺の授業だからな!ちゃんと出ろよ〜。なっ?桜川」
と前から歩いてきた三島先生が私の頭を軽くポンッと叩いた。

そして……
「は、はい…」
と俯きながらそっけなく言うと
「俺にそっけなくすんの禁止〜」
と言いながら私達を通り抜けた。

私が「はぁ…」とため息をついて由衣と歩きだすと
少しイケイケ風の三人組が前から歩いてきて

私達、二人に
「つか、あんた達今、三島と話してたでしょー?いいなー」
と話しをかけてきた。

「はい…それで?」
と私が返事をすると

「ほら、あんたなんか頭撫でられてたし〜ずる〜い」
と私を軽く睨みつけた。

すると由衣が
「つかさ、あんた達なに?先生の事好きなの?」
と私が言いたかった事を言ってくれた。

すると三人組の一人が
「うん。好きだよ。誰にも負けないぐらい。三島、好きな奴いっぱいいるみたいね」
と由衣に言った。

私と由衣は言葉を失った。
私達は目を合わせて、
「あっそ。んじゃーね」
とトイレに駆け込んだ。

私は先生を避けてるつもりだったのに
なぜか涙が止まらなくて由衣に抱き着いた。

そんな私を由衣はなにも言わずに抱きしめていてくれた。