本当は私だって先生と一緒に『あはは』って笑い飛ばしたい。

だけど今の私にそんな余裕はなかった。

とりあえずここから出なきゃっと言う考えで
「そっか!やっぱり!あっ、私これから用あるから!今日はすいませんでしたー。ばいばーい」
と言って急いで職員室を出た。

すると…

「おい桜川!お前〜っ!」
と先生も職員室から出てきた。

私は涙が溢れてる顔を必死で隠そうとすると……
先生が

「お前転んだんだろ〜?小学生か!!転んだぐらいで泣いて」

と笑った。
私が
「違う…よ…っ」
と言いかけると……
背中に何か暖かい物を感じた。

私がびっくりして動けないでいると

「嘘だよ。俺彼女なんかいねーからっ!じゃあまた明日な」
と私の耳元で先生が小さく囁いて走って職員室に戻って行った。

私は何が何だかわからなくてその場に座り込んだ。

でも私の心はまだ満たされていないようだった。

―先生に好きになってほしい

―先生にキスしてほしい

―先生と付き合いたい

「私、欲張りだなぁ」
と一人で呟いた。

「先生、なんであんな事したんだろう?私止まらなくなっちゃうよ…」
とまた呟いて、廊下の隅で泣きわめいた。

先生…先生…

私を好きになってください。

欲張りなのはわかってます。

でも好きです。先生。