「…私、魔術士であって、魔法使いじゃないから、正直ハズイです。この格好。」

え?

魔術士ってこーゆー格好しないの?

「はい、こんなのは200年前くらいから廃止されましたよ。
ダサいし動きにくいからって。」

なるほどねぇ。

「幸、幸ぃ!オレのも選んでよ!!」

あ、ヘタレキャラの谷下が何か言ってる。

「しょーがないなー、
じゃ、これ、」

あたしが渡したのは、中世ヨーロピアンが着てたような、鋼の鎧。

「ワーイ…
って、こんなん着て動けっかー!!!」

「…動けないの?」

「当たりめーだ!!」

やれやれ、やっぱりヘタレだな。

「んじゃ、これ、あたしが着るよ。
アンタはあれでも着れば?」

指差したのは、エルフが着るようなヤツ。

「別に良いけど、幸、それ着れんの?」

なめてもらっちゃあ困りますよ。

これでも、柔道三段の怪力女ですから。