「己の名を名乗ってからにしろ。 常識だ。」 「ふむ。 俺は土方歳三。 新撰組副隊長だ。」 「…なんだよ、それ」 私はふっと笑った。 「新撰組を知らないんですか?」 最初の男が言った。 「お前、何者だ? 新撰組を知らないなんて この辺の奴じゃないな」 私は黙った。 「もしかして、長州の奴か? だったら斬る!」 「…違う」