ズキズキと痛む、 膝を庇いながら、池田屋に向かう。 「柚子!」 遠くから、声がした。 きっと雪野だ。 「雪野………」 走り寄る雪野。 息を整えながら、肩を貸してくれた。 「どうした!?」 「伝令、成し遂げました」 私は無理矢理、笑顔をつくる。 「そうか、よかった」 雪野が、 笑顔でそう言った。 …雪野が笑った――――― 「膝、見せて?」 途中、 木の下で止まった。