「ハア…」 もうすぐ…、 もうすぐ着く。 橋を渡り、川沿いを走り続ける。 もうすぐ、 土方がいるはずだ。 最後の力を振り絞って 四国屋に行った。 土方が見えた瞬間。 「…………伝令っ!」 腹の底から声を出した。 あたしの声で土方がこっちを見た。 安心し瞬間、 足元の石にぶつかり、 大きく転倒。 「いったあ………」 「どうした!柚子!」 原田さんが びっくりした目で見ていた。 「…伝令。 本命は池田屋!」 痛い足は放っておいて みなに伝える。