――ハァ――ハァ――っ― 今までにないくらい、 一生懸命走る。 ただ土方のところへ行くことだけを考えて走り続ける。 「四国屋がどこにあるかわかるか?」 雪野が隣で聞いてきた。 息が全然上がってない。 「―――――うん…っ 巡察で…っ、行った」 途切れながら、伝える。 「…そうか 大丈夫か?」 「私は全然………」 「誰だ、オマエら!!」 ふと、後ろを振り向く。 「――柚子。 先に行け。この先何があっても走り続けろ」 雪野は、 走るのをやめ、刀を抜いた。