果てない恋色空




静かになった部屋に、

山南さんが入ってきた。



「柚子さん」


「山南さん!!


怪我は大丈夫なんですか!?」


山南さんの左腕が包帯で巻かれていた。

この傷は岩城升屋事件で負傷したものだった。



「もしかしたら治らないかもしれませんね」

山南さんは
静かに言った。


「それじゃ…………っ」



「私はもう、新撰組には必要がないのだよ」



「そんな…」



「柚子さん」


「…はい」


「みんなに宜しく頼みます」


そう言って部屋から
出ていこうとした。