「…おい、 名無しの権兵衛」 ちょうど土方がやって来た。 なんだよ、 名無しの権兵衛って… 「土方さん、なんすか? 名無しの権兵衛って」 平助が言った。 「オマエに名がないからだ」 「名は、ある」 私は小さな声で言った。