取っ手を掴み、ノックをせず「失礼します」と一声かけて部屋に入る。 「先生〜?」 しーんと、静まった部屋を見渡して居るべきはずの人間を探す。 「居ない、みたいだな」 独り言をぼやき、そのまま足をベッドへと運ぶ。 ばふっと、正面からベッドへダイブし、少し薬品臭いシーツを鼻から思い切り吸った。