(えっ) 魔法にかけられたように、体が動かなくなった。 声の主の顔を、確認しようと上を向くと、最近ずっと気になっていたゼロだった。 ゼロは、僕が横にいることに気付いていないみたいだ。 (ど、どうしよう) さっきまで、普通に脈打っていた心臓が、今はありえないぐらいの速さで脈を打っている。