「木野くん字も上手いねんなぁ、格好いー」

「そらどーも……」

……また木野かい。

うんざりしながら、画用紙に何やら書き込んでいる木野の姿を見る。

……まさかサインとか?

勝手に想像して、ぞっと肩を震わせる莉那。

「何? 習字とか習ってたん?」

「いや、習ってないけど……」

彼のは周りに女子が群がっている。

よく見ると、画用紙の正体は体育祭のポスターのようだ。