―そうや…。あんな奴、俺の敵にはなりえへん。 ペタンコの黒髪、ひょろっとした白い体。 大してかっこいい訳でもない。 ―絶対、俺が勝っとる。…て、何の勝負やねん… 一人で悶絶している間に次々とゴール者が出て来ている。 ―やっば… 焦り出した時だった。 「木野くん!」 「ぬあっ!?」 何者かに腕を捕まれた。 「んやねん…。て、あ?」 ―この人、いっつもオカリナと一緒におる… 和紗だった。