+++香澄side+++




「彼氏と、どう?」




お昼休み、机をくっつけて、

小百合とお弁当を食べていた。


「うん…まぁ…」




「学校には、ばれないようにしなよ」



小百合がちょっと小さい声で言った。




「うん」



「ほら、3年の春菜先輩、ちょっと前に停学になったでしょ?



結局、自主退学だって」




「え!!!」





どうして………


別れたって泣いてたのに…





「春菜先輩…妊娠してたらしいよ」





……………妊娠!!




「彼、春菜先輩の家のピアノの調律師だったみたい。

春菜先輩は、おじいさんもお父さんもお兄さんも国会議員でしょ?
織田財閥の令嬢が高校生で妊娠かって大変だったらしいよ。



でもね、春菜先輩、家を出て、彼と暮らして


赤ちゃん産むらしいよ」







そうなんだ………





「春菜先輩、将来有望だったのに。


うちの高校のピアノ科初の音楽コンクール入賞者なのに。

うちの大学じゃなくて、有名な一流音大にいけたはずなのに。



彼氏のせいで、人生変わっちゃったよね。




香澄も気をつけなよ。



香澄も将来有望なピアノ科のエ−スなんだから」