花実ちゃんはエ−デルワイスや猫ふんじゃったなどを弾いていた。 うれしそうだな… 「これからも弾きにきていいからね」 そう言うと、とてもうれしそうだった。 島の人たちはみんな、私が父子家庭で貧乏で母親が自殺している事を週刊誌や新聞から知っていた。 でも何も言わない。 逆に、すごくよくしてくれた。 昼間ひとりでいるのもなんだから 湊太くんの給食室の調理補助のパートを始めた。 花実ちゃんのお母さんが調理員として働いているから、 すぐに溶け込めた。 少しずつ少しずつ 島の住人となっていった。