【完】UNBALANCE/チャラ男とお嬢





ふっと湊太くんが笑った。





「なんか…強くなったな」



私はごくっとご飯を飲み込んだ。




「強くなんなきゃ、世界で戦えない」





湊太くんは、またお箸を持った。









「今の香澄、好きだよ」










お箸とお茶碗を持つ手が震えた。









「悔しい」





思わず言ってしまった。



湊太くんはぬか漬をポリポリ食べながら、


ん?と首を傾げた。













「私は今も昔も…




湊太くんと出会ってから


ずっと好きだった!!」









ポリポリ



ポリポリポリポリ




ぬか漬を噛む音だけが



部屋に響いた。









「まず…お父さんに挨拶しに行くか」