「だめ」
むしゃむしゃとまた湊太くんは食べ出した。
「なんで!」
ごくっと飲み込んで、湊太くんは箸を置いた。
「ここは香澄が住むような場所じゃない」
私は湊太くんを睨んだ。
「どういう意味?」
「そんな国際コンクールで入賞するような有名人が、
こんな田舎の島なんて。
しかも一緒に住むのは、小さな小学校の教師。
あ−…社長になってたら、釣り合ったのかもな?逆に。
あはははっ………なんて…
だめだ。
明日には帰れ。
もう二度と来るな。
香澄はこれからたくさんアルバム出して、リサイタルたくさん開いて、
たくさんの人に感動や勇気を…」
「湊太くんが感動してくれなきゃ意味ない!
湊太くんに、感動してほしい。
釣り合う釣り合わないって……
お金持ちとか、貧乏とか
社長とか有名人とか、
そんなんで人を判断しないって言ったの
湊太くんじゃない!!!」



