湊太くんは口いっぱいに頬張っていたご飯を飲み込んだ。
「コンクールの結果だけが大事か?
さっき、花実の母ちゃんが言っていただろう?
『勇気をもらった』って。
自分が弾いたピアノで、世界中のたくさんの人に
感動や勇気を与えられるんだ。
香澄のしていることは、
そういう事なんじゃないか?
すげ−じゃん。
香澄、お前もう、
自分の道、みつけてんだよ。
もうその道、歩いてんだよ」
そんなこと
考えたこともなかった
「人に感動を与えられる仕事なんて、
そうそうない。
相手を感動させるなんて、
簡単な事じゃない。
本当に親のためだけに弾いていたのか、
よく考えてみろ。
自分の弾いたピアノでたくさんの拍手をもらって、うれしくなかったか?
たくさんの人が感動してくれた事が
自分自信の強さになってなかったか?」



