「コンクール…おめでとう。
ずっと応援してた。
俺にはピアノがわかんね−けど、
俺には香澄が1番輝いて見えたよ。
よかったな。
お母さん、喜んでいるだろうな」
私はお箸を持ったまま俯いた。
「コンクールが終わって、
この先、何を目標に生きていけばいいのか
わからなくなった。
自分のためにピアノを頑張ってきたんじゃないから、
お父さんのため、お母さんのため、
人のために頑張ってきて、
コンクールに出て喜んでもらって、
結局、私自身は、これから何がしたいのか、
目標がなくなってしまって…
だから、今更だけど、
湊太くんの言葉の意味がわかった。
親の思いよりも、自分のやりたい事をみつけて、
それに向かって頑張っていく事の方が、
自分自身、納得のいく人生になるってこと。
結局親のために…って頑張ると、
うまくいかなかった時、
先が見えなくなった時、
親のせいにする。
だから、
私はこれからは、
人に頼らずに、自分の力で
自分のやりたい事をみつけて
自分の道を進んでいく。
いつになるかわからないけど、
ゆっくり焦らずに
見つけていくよ」



