プルルルルル…………
その時、家の電話が鳴った。
お父さんは受話器を取った。
「もしもし。
はい、そうです。
はい。
はい。
わかりました。
本当に申し訳ありませんでした。
はい、必ず。
はい。失礼します」
お父さんは電話を切り、また私の前に座った。
「学校からだ。
一応、規則として、停学1週間だそうだ。
別れればの話しだそうだ。
別れなければ、退学だ。
後、クリスマスコンサートは、
出られないそうだ…残念だな」
春菜先輩と、同じ道をたどっている…
私だって別れたくない…
こんな学校辞めたっていい…
ピアノなんて………
「香澄がピアノを弾いていると、
お母さんが喜んでいる気がして…
香澄がピアノを続ける事が、お母さんへの1番の親孝行だと思うよ。
来年のクリスマスコンサートに出ればいいさ。
香澄はトリをつとめられると思うよ。楽しみだな」
お父さんは涙を流した。
ピアノは………辞められない
辞められないよ…湊太くん…



