「優子さん。ありがとうございます」
僕は図書館の中で車椅子を優子さんに押してもらっていた
「いいえ。どういたしまして」

近くの図書館に行きたかったから、僕は優子さんに外出の許可を貰おうとした
それを優子さんに話すと、夜勤明けでもう帰るから連れて行ってあげると言ってくれたのだった
「良かったんですか?明けで疲れてんじゃ…」
「いや、私も用事があったからね」
「それなら良いんですけど…あ。あの本、取ってもらって良いですか?」
本は普段なら、自分が背伸びして軽く手を伸ばせば届く高さの所に本はあるのだが、右足を骨折している自分にとっては松葉杖で立ったとしても難しい
「あれね」
優子さんは、近くにあった踏み台を持ってきてその上に立って取ってくれた
「ありがとうございます」
「どういたしまして。パンの図鑑ねぇ…」
その図鑑を開けると、クロワッサンのページにちゃんと意味が載っていた