青井ちかは必死に走っていた。
まだまだ夏を思わせる強い陽射しの中、気持ちは少し重かった。
ちかは高校2年、この夏休みは親も呆れるほど友達と遊びまくり、よく笑い、よくはしゃいだ。
この夏の陽射しが弱まる頃には、もう何もかもを心の中にしまい込んで、勉強をしなきゃいけないんだろうな
そんな事を考えながら海岸沿いの坂道を何かを振り切るかのように駆け上がった。
額から流れる汗を拭いながら、古びた校舎へ続くコンクリートの門扉を走り抜ける。
ちょうど同じクラスの西本麻里と鉢合わせた。
「おはよー」
「おはよ」
叫ぶように挨拶をかわし2人で校舎に駆け込む。
靴箱のすのこのうえで上履きに履き替えていたとき、麻里がちかのブラウスの肩口を引っ張った
「ちか、見て見て!」麻里の指差す先に人影が見えた。
廊下を横切るその人影は背がやや高く、少し足早に歩いているように見えた。
校舎の切れ目から射す朝陽がその人影の横顔を照らした。陽に輝いたその顔は色白の美しいものだった。
「…」
「かっこよくない?!」
ぼーっとしていたちかに麻里が興奮気味に言った。
「えっ、うんうん、かっこいいかも」
ちかは上の空で答えた
「ヤバい遅刻だよ!」
麻里が叫んで走り出した
「あ!」
ちかも走り出す瞬間立ち止まり目に焼き付いた彼が消えた廊下の奥を見つめた…。
二人が教室に入ると、クラスはまだざわついていて、担任はまだ来ていなかった
「遅いぢゃん」
席に着くと隣の恵美が声を掛けてきた
「うん!助かったよ!先生まだぢゃん」
ちかが言った時ドアが開き担任の平田が入って来た。
まだまだ夏を思わせる強い陽射しの中、気持ちは少し重かった。
ちかは高校2年、この夏休みは親も呆れるほど友達と遊びまくり、よく笑い、よくはしゃいだ。
この夏の陽射しが弱まる頃には、もう何もかもを心の中にしまい込んで、勉強をしなきゃいけないんだろうな
そんな事を考えながら海岸沿いの坂道を何かを振り切るかのように駆け上がった。
額から流れる汗を拭いながら、古びた校舎へ続くコンクリートの門扉を走り抜ける。
ちょうど同じクラスの西本麻里と鉢合わせた。
「おはよー」
「おはよ」
叫ぶように挨拶をかわし2人で校舎に駆け込む。
靴箱のすのこのうえで上履きに履き替えていたとき、麻里がちかのブラウスの肩口を引っ張った
「ちか、見て見て!」麻里の指差す先に人影が見えた。
廊下を横切るその人影は背がやや高く、少し足早に歩いているように見えた。
校舎の切れ目から射す朝陽がその人影の横顔を照らした。陽に輝いたその顔は色白の美しいものだった。
「…」
「かっこよくない?!」
ぼーっとしていたちかに麻里が興奮気味に言った。
「えっ、うんうん、かっこいいかも」
ちかは上の空で答えた
「ヤバい遅刻だよ!」
麻里が叫んで走り出した
「あ!」
ちかも走り出す瞬間立ち止まり目に焼き付いた彼が消えた廊下の奥を見つめた…。
二人が教室に入ると、クラスはまだざわついていて、担任はまだ来ていなかった
「遅いぢゃん」
席に着くと隣の恵美が声を掛けてきた
「うん!助かったよ!先生まだぢゃん」
ちかが言った時ドアが開き担任の平田が入って来た。