神様の暇潰し? 〜 The love story of mask human 〜



 しばらく翔太、陽奈とじゃれあっていると、女子生徒がこちらに向かってつかつかと歩いてきた。




「またハルをいじめてるのね……? 神北には困ったものだわ」



 そう言って腰に手を当てて深いため息をついた女子生徒。少しだけ癖毛が混じる基本ストレートの長い髪と、凛とした顔立ち、モデルのようなボディラインはクラスの男子からかなり好評らしい彼女の名前は『後藤 梨恵(ごとう りえ)』。この学校の生徒会長でもあり、我がクラスのクラス委員長でもある。
 後藤とはこのクラスになってからの付き合いだが、委員長という立場上からか、授業中寝ている俺に注意することが多い。そのためよく俺の元に来るのだ。
 ちなみにかなりの可愛い物好きで、陽奈を愛称で呼び溺愛しているちょっと変わったヤツでもある。




「ハル、神北にまたいじめられてるの?」



「うぇ〜ん、梨恵ちゃん助けてよぉ〜」



 泣きべそをかきながら後藤に抱きつく陽奈。後藤も笑顔でそれを受け止めて優しく陽奈の頭を撫でた。




「よしよし、何されたの?」



「うん……音勇が私のこと、ロリロリって言うの……」



 涙をポロポロと流しながら後藤に呟く。その姿は兄にいじめられたことをお母さんに告げ口してる妹みたいな感じに見える。




「事実なんだから仕方ない」



「うぅ…ふぇ〜ん……」



「おい神北、陽奈も気にしてる事なんだからそんなに言ったら可哀想じゃないか。それにハルにはハルの良いところ沢山ある」



 なんだか俺が悪者みたいになっている。事実を言っただけだというのに対応が失礼な気がする。




「いいから席つけよ。ホームルーム始まんぞ」



 皆とああだこうだと話していたらいつの間にか休憩時間は過ぎ去り、帰りのホームルームの時間になっていた。翔太は大笑いをしながら席に戻り、続いて後藤も陽奈を慰めながら席へ戻っていった。