「それじゃあ、今からカッコいいゼウス様にそれを伝えるから少し待ってて」
――ゼウス、お前……
「うん、わかったよ……」
俺は苦笑いを浮かべる陽奈の傍に寄って目を閉じた。
「栄光なる天界の長、ゼウスよ。我が主の属性を光属性、戦闘タイプを防御特化に決定。天の祝福を与えよ」
そう言った瞬間だった。陽奈の前に光に包まれて輝く四枚のカードが現れた。余りにも幻想的な光景だったのか、陽奈は光り輝くカードにみとれてしまっている。
「受け取って」
「あ、うん……」
陽奈がそれを取り終えるとカードは輝きを失い、本当の姿を現した。
カードは黒く縁取りされた白いカードだった。裏面にはユニコーンの絵が描かれている。この絵はゼウスが持っていた手鏡と同じだ。
「これが私のカードなんだね」
「そう。最初はまだあまり強くないカードだと思う。だけど三日に一枚カードが支給されるし、戦うにつれてカード自体が成長するから楽しみにしててね!」
「うん。この一組をデッキって言うのかな……よくわかんないや〜」
「カードの束の呼び方はなんでも大丈夫だよ。
じゃあ早速難しい内容だけど、カードの陰陽の説明をするね。
カードにはそれぞれ表面に陰と陽の数が書いてある。それを『陰を合計五』、『陽を合計五』にしなくちゃいけない。どちらかが多くても少なくてもダメだ」
難しい内容だが、俺はこう解釈した。
つまり陰陽は互いに釣り合っていなくてはいけない。どちらかが多くても少なくても陰陽のバランスが取れなくなってしまうのだ。だから陰を合計五に、陽も合計五にしなくてはならないのだと。
「あ、本当だ。このカードは『光の古代盾(ライトエンシェントシールド)』は陽が二、陰が一って書いてあるよ」
この『光の古代盾』のカードの表面には、何やら人が光のシールドを張り、ドラゴンから吐かれた炎から自分を守っている絵が書かれていた。やけに絵がリアルで感動的だ。

