そしてまた三十分の時が過ぎた。相変わらず散らかった部屋で悩みに悩む我が主、中村陽奈。俺は待ちくたびれてカーペットの上で丸くなって休憩していた。
「う〜ん……」
――どんだけ悩んでんだよ……
唸り続ける陽奈を見ながら主の決断を待つ。
「決まらないよぅ……」
「えぇ〜……」
悩みに悩み、出した結論が『決まらない』。これは俺も、たぶんゼウスも参った。
「とりあえず、妨害はイヤかな……」
「う〜ん……陽奈が光属性だからな。『攻撃特化回復優れタイプ』か『防御特化回復優れタイプ』。どちらにするか、陽奈が決めなきゃいけないんだ」
「うぅ〜……」
酷なような言い方だが、主が決めなくてはいけないのだ。俺がどうこう言ってはいけない。
「最初に貰えるカードを教えてよ、黒瞬さん……」
「それは出来ないんだ」
陽奈にすがるような目で見つめられるもゼウスに導かれ中の俺は中々厳しい。
「カードはランダムで支給されるから俺にはわからないんだよ」
「黒瞬さんのイジワル……」
「うん。俺イジワルだからな。陽奈、気をつけてな!」
――おい、ゼウス! 変なこと言ってんじゃねえぞ!
ゼウスが俺の口を使って言ってるため、俺が酷い猫みたいになっている。非常に心外だ。
「私は、雰囲気的には防御特化回復優れタイプの方がいいかも……」
「よし、そうしよう! そんなに難しく考えることはないよ。どのタイプでも戦い方を知れば互角に戦えるようになってるみたいだから」
「じゃあ私、それにする!」
ようやく決まった。我が主、中村陽奈の属性戦闘タイプは『防御特化回復優れタイプ』に決定した。

