神様の暇潰し? 〜 The love story of mask human 〜



 俺は町中を歩きながら主を探し回る。空は厚い雲によって曇り、少し湿気があった。今日はどうやら雨が降るようだ。傘を持って歩いている人が多いのはそのせいだろう。




――雨が降りだす前に見つかんのかよ……



 俺は変わらない不安感を抱きながら町をさ迷う。
 主を探すと言っても、当然探し方を知っている訳ではない。つまりどこかで自分の主に必然的に逢うのかも知れないし、自分から主を見つけ出していかなければならないのかも知れないのだ。さらには見つけたという確信が自分に分かるのかさえわからない。ゼウスはそれについても言及していなかった。




「不安ばっかりじゃんかよ……」



 商店街の中央にある緑地公園。子供が遊ぶ公園というよりは、緑が少ない商店街に少しでも緑を取り入れたかったというような公園だ。しかし緑地公園というには幾分緑が少ない。舗装された道もあれば砂利道なんかもある、なんというか中途半端な緑地公園なのだ。


 俺はそこで一休みしていた。雲はさらに厚くなり、湿度はより高まった。人間では感じれなかったが、猫だからこそ敏感に感じれることは数多い。湿度を敏感に感じれるのはその一つなのかもしれない。




「あ、猫じゃんかっわいい〜」



 そんな時、芝生で座って休んでいる俺に近寄ってくるギャル女とチャラ男がいた。午前十時を過ぎているというのにこんなところへ学生服を着ているということは、恐らく学校をサボっているのだろう。そんな俺も人のことは言えないが。




「お前猫なんか好きなのかよ。野良猫とか汚ねぇから止めとけよ」



 中々酷いことを言うチャラ男である。中身が人間だとわかったらきっと逃げ出すだろう。