デアルクス~生き抜いて~

「二人とも。そんなことより戸の中のワラ床に敷いて。今日はここに泊まるんだから。」

ティアは低い声でそう言うと、ピンク色のリュックを床に置いてワラを広げ始めた。

仕方なく、私とアルティも手伝う。

狭いせいか、10分もかからずに終わった。

ティアは、白い長袖のパーカーを脱ぎ、ピンクのTシャツになる。

「動いたら暑くなってきたわ」

そう?とアルティは黒の全身を包むマントについたワラをほろいながら言う。

私は、このとき既に邪悪な気配を感じていた。