デアルクス~生き抜いて~

ティアは鍵の壊れた扉を開き、中を覗いた。

「あ、なんだ。」

小屋の中が思ったより綺麗だったのか、その声は安心したようだ。

4畳程の広さで、全て木の板で出来ている。
左右にワラのベッドがあり、床にワラが崩れ落ちている状態だ。

そして、正面には、ワラで隠されていたであろう戸があった。


私はその戸を開ける。

「ラテルったら……。」

アルティは髪を指でくるくると巻きながら呆れたように言った。

私はなんだと言わんばかりに目を向ける。

「なにか隠してるっぽい所勝手に開けるか普通?」

もちろん言い返す。

「もう人は居ないんだ、気にはしない。それに、ここを開けなければ狭いだろ。」

もっとも、戸の中はただワラが詰まっているだけだった。