「俺な、ダンプに巻き込まれて死んだ。」



一瞬、ぽかんとした。



嘘だと、思った。



「嘘。」



声にも出してみた。



でも、目の前の猫もとい恭也はうなだれていて。



それが真実だと告げていた。



「恭也、もう…。」



言葉が続かない。



言えば、それを認めてしまう気がした。



恭也が、恭也の肉体が、帰るべき身体がないなんて。



「嘘よ!」



口ではそう言ったが、不安で。



嶌子はそばにあったテレビのリモコンをひったくるようにして取り、テレビの電源を入れた。



急いでニュースにチャンネルを合わせる。



ニュース番組をつけて、「ほらそんなニュースなんてないじゃない」と言ってやろうと思った。



しかし、運命というものはあるらしく、タイミングよく交通情報のコーナーに入ったところだった。



“先週、国道○号線で起きた衝突事故の大型ダンプカー運転手、○○が逮捕されました。”



そこで、事故の様子が大映しになった。



「酷…。」



ダンプのバンパーは外れ、大きくひしゃげている。



そして、相手の車は…。



酷い惨状だった。



もう、天井が潰れて、窓はすべて押し潰されている。



一目で運転手の安否がわかる状態だ。