「ねぇ」
そう…俺はバカだ…。
南が話しかけてきた。ただそれだけで、心臓が高鳴っている。
彰の…女なのに。
机に伏せていた顔を上げて、『何?』と答えた。冷静に…冷静に。そしたら南のやつ、笑顔で喋り始めた。
「三浦だっけ?彰が言ってた!彰の親友なんだよねっ?」
なんだ…。結局は彰に繋がんのかよ。仕方ねぇか、彰の『彼女』なんだし。
「あぁ、ま…一応」
「一応って何さぁ~!とりあえず彰の事、いろいろ聞きたいからこれからよろしくね♪」
『よろしく』の挨拶と同時に俺に、スッと差し延べられた南の手。白くて…細くて…ドキドキが止まらない。
「おぅ…」
握ったら…もっとドキドキして、俺が俺でいられなくなるくらいだった。
手を…握ったくらいで…。
「三浦!南!ちゃんと話しを聞けっ!!」
パッ……
田辺の声で俺は我に戻った。同時に、手も放した。
、
