おれが君を好きな理由(短編)

▽楓



「久保さんってさ、かわいいけどなんかむかつくよね」


「わかる、わかる。なんかかわいいこと自覚してそう。」



「性格はいいんだろうけど、男子から人気なのもむかつくよね」



もうなれたよ。


全部聞こえてるよ。



一人で廊下をあるく。



みんなが私にヒソヒソなにか
いってるのはわかるよ


だんだんと目があつくなる。



涙が出るのをこらえながら




靴にはきかえる




「楓ちゃん?一人?なら俺たちとかえらない?」




「・・・えっ、あ、あの」



「ほらまた、声掛けられてる。ちょーうざい」



「ごめんなさい。私用事あるので・・」




いそいで上履きをしまい



校舎をでる。