「雪…ですか……」 骨張った掌を前に差し出せば、冷たい粒が心地よく溶け渡る。 (…土方さんは……) 薄曇りの空を仰ぎ見れば、浮かぶのは同志(なかま)達の顔。 「ご無事なんでしょうか……」 真っ白に染まった庭に、問い掛けても 答えが返ってくる訳もないの… 「久しぶりだな。総司…」 に……? 懐かしい低音が、鼓膜を震わせた。