桜並木の話

俺はこの手紙を出す訳にはいかなかった。
かといって家に置いておく訳にもいかず、持ち歩いていたのだ。
しかし、柳瀬に拾われたということはいつの間にか落としてしまっていたらしい。


出すつもりなどさらさらなかったのだ。
当然封筒に宛名はない。

それを彼女が俺に届けにきたということは彼女は中身を読んだのだろう。