「それにさ、俺、ここではパラレルワールドの研究してること、一応内緒にしてんだよ。本来の研究しろって怒られるしさ」 深は心底迷惑そうに顔を歪め、立ったままの俺を見上げている。 「そ、それは悪かった。ミューに言っておくよ」 「頼むな」 深はそう言うと、くるりと背を向けて、書類を捲り始めた。 俺は深の大学を出ると、急いで家に帰る。