「ミュー」



「本当に……こっちに来てくれるの……?」




"ダメですって!! それがどこか分かってるんですか?"




純一郎の声が頭に響く。




俺はかき消すように頭を振る。


いいんだ、どこでも。



ミューがいるなら。

ミューが俺を求めてくれるなら。




「ミュー、どうやって行けばいい?」



「……そのまま、まっすぐ歩くだけ」




俺の目の前に広がる、夜景。




数歩先にはガードレール。