ミュー……。 夜になって、俺は町一番の高さがある高台に登った。 なんとなく空に近い気がして、なんとなくそれは異世界へ近づける気がしたんだ。 「ミュー……」 座り込んで呟く。 「……ちゃん……」 風に乗って何かが聞こえた。 「ミュー……?」 俺は辺りを見回す。 誰もいない。 でも、ミューの声に聞こえたんだ。