「あ〜…サッパリしたっ」
蛇口を閉めると、バスタオルで全身を吹き終わり、服に着替えて風呂場から出ると、みぃ助がチョコンとお座りしていた。


『にゃ〜…」

尻尾を床で、バタバタ左右に動かしながら、何かを待っている様子だった。


「…分かったよ、今エサやるから、そんなに見つめるな」

台所に向かい、1つの皿には、キャットフード。もう1つの深めの皿には、水を入れた。


「ほらよ」

みぃ助は、カリカリ…と音を立てながら、美味しそうに食べている。


俺は、みぃ助を見下ろしながら、ポツンと呟く。


「そんなに、旨いものなのかよ」


『旨いよ』


独り言を呟いたつもりで発した言葉に、返事が返ってきて、俺は思わず辺りを見回す。

ーここは俺の部屋だ、俺以外に人など住んでいない…。



まさか…。


ジッ…とみぃ助を見つめ返したが、『にゃ〜』と、相変わらず鳴いている。


「なんだ、気のせいか」

俺は、ホッと胸をなで下ろし、みぃ助の頭を撫でる。



(しまった…)
みぃ助は、心の中で呟いた。

(このことが、バレてしまったら…俺は…)

チラリと愁蔵を眺めると、台所で自分の飯を作っている最中だった。




今日は、日曜日。
…かと言って、何処かに行く予定はない。