家を出ると、私は全速力で学校までの道を自転車で駆けた。


家から学校までは結構距離がある。


しかも急な坂が途中にあり、自転車でのぼるのはかなりきつい。




なんとか坂もクリアし、学校に着いた頃には汗だくになっていた。


「おはよう、美樹」


振り返ると親友の楢崎由香がいた。



「おはよう、由香」


よほど頑張ったのか、かなり息切れが激しかった。




「あはは。どんだけ飛ばしたのさ、あんた」


由香が私の汗を見てかなり笑う。


「うっさいなぁ。由香は電車だからこの苦しみがわかんないんだよ。マジきついんだから」


いつまでも笑う由香につられ、私も笑ってしまった。



そうこうしているうちにチャイムが鳴った。