「諦めなよ、美樹。もう戻っちゃったし、会えないよ」

由香が隣で私を説得している。



私だって頭ではわかっている。


だけど1回間近で見てしまったら…


さらに手まで振ってもらったら…



はいそうですか、なんて簡単に引き下がれない。

なんとか近づきたい。


今の私は執念の塊でしかなかった。



由香は私の隣で呆れた顔をしている。


それはそうだろう。

私は普通の子とは違う。



アイドルと本気で恋愛したいと思っている。

でも別に変だとは思わない。


相手が特殊なだけで、普通に恋をしているのは他の女の子と変わらない。