俺の愛を、お前に捧げる

――っとその時。


「か、奏太さん!大変ッス!…恭祐さんが!!」

いきなりドアが開きゆっくりと入ってきた奴の顔をみてみると、ひどく青ざめた顔をしていた。


「恭祐がどうした」

「竜怨の…市之瀬拓真の妹、市之瀬瞳が、恭祐さんを人質に…!!1階で奏太さんを呼んでいます」


――市之瀬瞳!?


「分かった」

そう言いながら俺は立ち上がった。


部屋を出てみると確かに1階が騒がしかった。



きっと、市之瀬の狙いはこの俺だろう。

兄貴を殺した、

復讐――。



1階に来てみると、中心に恭祐が目を閉じ、寝かされていて、市之瀬が恭祐ののど元にナイフを向けていた。

その周りを族の奴ら200人ほどが囲っている。

そんな状況だった。