「ホントに好きなんだね」
美和は少し呆れ顔で言った。
「すっ、好きだよ!教えるの上手いもんっ!!」
美和が言った「好き」とは違う意味の「好き」を、私は言った。
すると美和は
「嘘つきぃ〜」
と、私の頬を抓った。
一瞬、軟らかい痛みが走ったが、我慢出来なくはなかった。
「みはしゃん?(美和ちゃん?)」
上手く発音出来ない。
美和は私の顔を尚も見ている。
「睨んでいる」の方が正しいかもしれない。
「みはしゃん?」
もう一度、美和の名前を口にすると、美和は私から目線をそらした。
怒っちゃった!?
―――クスッ
何処からか笑い声がした。
「クスクスクスクスッ」
美和が笑っている。
「みはしゃん?」
私がもう一度名前をいうと、美和は「あぁ、ゴメンゴメン」と言いながら私の頬から手を離した。
「何するの?美和ちゃん!」
「いやいや、いろはちゃんがあんまり可愛かったからさぁ」
美和はニコニコしている。
怒ってた訳じゃなさそうだ。


