「体育委員なんかになるんじゃなかった!」

美和は泣く真似をした。

私も同意した。

目立つ行動を取りたくない。

先輩はもちろん、男子に目を付けられたくない。

それに、体育祭は三年生の競技に『アレ』がある。

絶対に『アレ』の時には仕事をしたくない。

私が真剣な顔で押し黙ったからか、美和が笑った。

「分かるよ、いろはちゃん!『アレ』は見たいよね」

「うん」

私は半分上の空だった。