まさか・・・。
「体育祭?」
私が最も口にしたくない単語を口にした。
俄かに美和の表情が明るくなる。
「当たり!」
美和は授業妨害にならない程度に私の肩をバンッと叩いた。
美和は目立たないように地味にしているが、体育会系で体力テストなんかでも良い成績だった。
私は専らの文化系なので体育祭は苦手だ。
それでも、美和がきゃっきゃっと言っているのは珍しいので嫌そうな顔は避けた。
「で、今日は何か決めるのかな?」
私はまたしても疑問を口にした。
「今日は特に無いはずだけど、委員会とかで係決めなんかがあるかも・・・」
美和は少しばかりテンションが下がった。
といっても、いつも通りに戻っただけだけど。
「私、体育委員」
美和は私を見ながらうなだれた。
「私は保健委員だけど・・・」
お互い、体育祭での仕事が多そうだ。