私は急いで自転車置場から生徒玄関まで走る。

ココが。

この時間が一日の中で1番私が大切にしているコト。

いそいそと黒い運動靴からスリッパに履き変える。

あの瞬間まであと少し。

先生の姿が見える。

「・・・・・・っ」

私は緊張で頭が真っ白になる。

すると次の瞬間、

「おはよう」

という声が聞こえた。

先生の声。

この年ぐらいの人にしては高い声。

私の頭はさらに白くなる。

「・・・っ、おはようございます!」

それしか言えなかった。