世界を回す主役ではなく、あくまで端役であることを望むようになったのは、いったいいつからか?

学生の頃は、『世界征服』をもくろむサークルの先輩たちと熱く将来について語ったものだ。

『世界征服』、つまりその道で世界の頂点に立つことだ。

社会に出れば、しがらみが増えて夢や理想を追いかけることが難しいのはわかっていたから、だから尚更熱くなった。

自分たちだけでも、希望を夢を理想を、捨てず諦めず追い求める大人になるのだと。

決して現実の困難に屈しないと。

誓い合った。

卒業して十年以上経ち、おそらく『世界征服』の首謀者たる先輩はその志を貫いているに違いない。そういう、人一倍熱い人だったから。