「櫻井!」 そんな私に転機が訪れたのは、新しいクラスに慣れた頃の6月。 梅雨の影響で、毎日のように雨が降り続いている日だった。 「山口先生、何ですか?」 移動教室で廊下を歩いているとき、背後から呼び止められた。