「すぐには、決めなくていい。ギリギリまで待ってるから」
「!」
…ギリギリ?
「明日からは、ちゃんと学校来いよ。あと、戸締まりはしっかりな」
柳先生は立ち上がりそう言うと、玄関に向かって歩き出した。
「学校で待ってる」
背を向けたまま言うと、柳先生は玄関から出て行った。
静かにしまった扉。
部屋の中も、いつも通りの静けさを取り戻した。
「…」
本当の自分を探すために、柳先生と一緒に暮らすー…
どうして、柳先生がそこまでしてくれるのかわからない。
けど、ここのマンションも家賃が払えなくなるから出て行かなきゃいけないし…学費だって、払えなくなるから辞めなきゃいけない。
でも、学校を辞めてどうする?
今よりも、もっと誰もいない世界に引きずり落とされることは間違いない。
唯一の光は、柳先生。
目の前で手を差し伸べて、待っていてくれる。
その手をとり、学校に通いたい。
けど、また捨てられたらー…?
「…やめて…」
差し伸べてられた手を取っても、すぐに振り払われる。
「いや…」
信じたくてもー…
「どうしたらいいの…?」
信じるのが、怖いー…



